「デュアルキャリア」って最近聞くようになったけど、実際どうなんだろ?
デュアルキャリアをうまく使えば、引退後だけでなく、現役中の競技の質も向上することができるよ!
こんにちは。
プロスポーツ選手を引退後、リクルートで働いている”こたつ”(@kotatsu_recruit)と申します。
最近ちょこちょこ聞くようになってきた「デュアルキャリア」という言葉。
すごく簡単に言えば「スポーツ」と「仕事」の「複業」という言葉に近いです。
最初は正直、「競技と仕事の両立なんて無理でしょ・・・」と思っていました。
ですが今では、保護者や指導者だけでなく、スポーツ選手自身がデュアルキャリアの意識を持つべきだと考えています。
それは引退後のことを考えて・・・だけではなく、ビジネスをきちんと学ぶことで現役中にも役に立つことが多いと考えているからです。
そこでこの記事では、デュアルキャリアを行うことのメリットとデメリット、そして実際にデュアルキャリアを選ぶのであればどんな仕事が向いているのか、を説明していきます。
競技と並行して仕事をしている方、特に競技優先で選んだ仕事をしている方にぜひ読んでいただきたいです。
アスリートのデュアルキャリアとは
そもそも、「デュアルキャリア」ってどんな意味なの?
現役時代から、競技者としての軸と、それ以外(仕事)の軸を持つということだよ!
まず、デュアルキャリアという言葉ですが、「アスリートとしてのキャリア形成」と「人としてのキャリア形成」の両方を同時に取り組んでいる状態、を言います。
つまり「現役時代は競技がすべて!」という考え方ではなく、現役中も引退後も同じ人生だから、現役中から「競技者」と「仕事」の2つの軸を持とうね!という考え方です。
「デュアルキャリア」という言葉の定義や理解は世界共通ではありませんが、平成26年発表の文部科学省 独立行政法人 日本スポーツ振興センターのレポートにはこのような記載があります。
「競技生活を送っている時期はアスリートとして、引退後は別のキャリアという「単一路線型」の捉え方ではなく、アスリートとしてのキャリアとその後のキャリアの両者を、アスリートの時期に準備・支援するという 「二重路線型」の捉え方(ダブルキャリア)」の必要性を示した。
この「デュアルキャリア」という考え方や言葉、僕は引退してから知りました…。
これ、もっと早く知りたかったです…。
僕の現役時代
そんな僕の現役時代の考えはこちらです。
- あくまでも競技が本業で、それ以外は競技に支障をきたさないような楽な仕事
- 競技の練習に支障が出ないような時間帯で働くことができる仕事
- 試合前後や遠征中などに休みが自由に取れる仕事
この考えから、体に負担がかからない「楽なアルバイト」の選択以外には考えていませんでした。
完全に「競技」と「働くこと」は別物として考えていました。
今考えるともったいない…。
スポーツ選手がデュアルキャリアで得られるメリット
「デュアルキャリア」についてはわかったけど、スポーツ選手がデュアルキャリアの道を選んだ方がいい理由ってなにかあるの?
ではデュアルキャリアのメリットを見ていきましょう!
デュアルキャリアによって得られるメリットとデメリットはどのようなものがあるでしょうか。
- 仕事で学んだ「考え方」が競技で活かせる ←ここ重要!
- 仕事でできた人間関係によって応援者が増える、スポンサーになる場合も
- 引退後もスムーズにセカンドキャリアを築ける
詳しく説明していきます。
仕事で学んだ「考え方」が競技で活かせる
「今の知識があって現役時代に戻ったら、絶対もっとうまくなってたのになー…。」という声、聞いたことありませんか?
これは競技を離れて、ビジネスに触れるようになったおかげで考え方を身に着けたからこそ見えてきたのだと思います。
というのも僕の現役時代は、「感覚」でモノを言うことが多く、考えることが苦手でした。
リクルートで働きだした今では「言語化」を意識して、できるだけ「論理的」に物事を考えることを意識していますが、現役時代はまるでできていませんでした。
なぜこの練習は必要なのか、そもそもなぜこの練習なのか、もっと効果を得るためにはどうしたらいいのか、などが考えられれば、練習に対する取り組み方や競技の成績も変わってくると思います。
仕事でできた人間関係によって応援者やスポンサーが増える
また、仕事関係の人が競技を応援しに試合などに来てくれる場合があります。
さらにはスポンサー様になってくれる可能性まであります。
これはマイナースポーツであればかなり有難いことだと思います。
ただ、そうなるには職場での関係性が大切になってきます。
応援者を増やすには、競技にも真剣に、職場でも真剣に取り組むことが大切だと思います。
引退後もスムーズにセカンドキャリアを築ける
日本スポーツ振興センターの考え方で行くと、これが本来の考え方でしょうか。
スポーツによって異なりますが、プロスポーツ選手の平均引退年齢は30歳前後。
引退後にいざ仕事を探そうと思っても、社会経験やビジネススキルがなく年齢だけ重ねている状態になると再就職のハードルは上がります。
その点、現役中からビジネス経験を積んでおけば、アスリートの強みと仕事の強みを融合させた状態での引退となります。
であれば引退後の第二の人生も、現役中以上に輝くことも可能だと思います。
スポーツ選手がデュアルキャリアをする際のデメリット
でも・・・いいことばっかりでもないんでしょ?
もちろんいいことばかりではないと思います!
デメリットについても見ていきましょう!
デュアルキャリアのデメリットとして以下のようなことが考えられます。
- 「競技」も「仕事」も本業なので、身体的に大変
- 練習時間などに支障が出る場合がある
- 試合前後や遠征などでの休みがとりづらい
「競技」も「仕事」も本業なので、身体的に大変
これは正直大変だと思います。笑
単純に競技だけを真剣にやり、仕事はできるだけ楽なことを選んでいる人と比べて負荷は多くなると思います。
ですが前述のとおり、ほとんどのアスリートが競技以外にも仕事をしているので、まずは仕事に対する「考え方」を変えるだけでもいいのではないのか、と思います。
また、できることであれば、「競技」に活かせる仕事をすることをおすすめします。
練習時間などに支障が出る場合がある
僕は、「仕事」と言っても必ずしも「正社員」になれ!と言っているわけではなく、「競技でも活かせる考え方」が学べる仕事であればいいのではないか、と思っています。
また、少し仕事選びの間口は狭くなりますが、練習を優先するので残業が出来ない旨を事前にきちんと伝えることで解消できると思います。
試合前後や遠征などでの休みがとりづらい
こちらも必ずしも正社員じゃなければ休めると思いますし、「有給休暇」を使うという考え方もできます。有給休暇はアルバイトでも条件を満たせば取得できるので、知っておいて損はないと思います。
参考:厚生労働省
現役中に仕事を変える際の注意点とポイント
今まではなんとなくスポーツと仕事を両立してきたけど、引退後のことや競技を続けるために、現役中に転職を考えるている人は少し注意が必要です。
注意点は下記になります。
- ストレスがかかる
- 時間がかかる
- 待遇が変わる
それを考えたうえで、現役中の選手が転職する際のポイントはこちらになります。
- 現職で問題を解決できないか考える
- 行動を起こすのはオフシーズン
- 転職エージェントを利用する
現職で問題を解決できないか考える
「転職活動」は慣れないことが続くのでとてもストレスがかかります。
できるだけ現状の仕事で起きている問題が解決できないかを考えるのがまず大切です。
「本当に転職じゃないと解決できない問題か?」を今一度問うてみてください。
行動を起こすのはオフシーズン
また、オンシーズンに転職活動を行うと、競技のプレーにも影響しかねません。
できるだけ転職活動はオフシーズンに行うようにしましょう。
転職活動は3か月程度かかるといわれていますので、少しでも短縮できるように、前々から活動を開始しておくのもポイントです。
転職エージェントを利用する
そして最もおすすめなのが、「転職エージェントを利用すること」です。
転職エージェントでは、求職者の利用は無料、かつあなた専任のプロのアドバイザーが付いて転職のサポートも受けられます。
忙しいあなたに代わって、転職のプロが仕事探しのサポートをしてくれる。それでいて無料。使わない手はありません。
アスリートにおすすめの転職エージェントは、アスリートにおすすめの転職エージェントは?スポーツ業界に強い転職エージェント3選で詳しく説明しています。
転職エージェントを利用する際の注意点はスポーツ選手が引退後に転職エージェントで仕事を探す場合の注意点とは?にまとめています。
ぜひ転職エージェントを利用して理想の転職を成功させてください。
スポーツ選手におすすめの仕事
でも競技に活かせる仕事ってなにがあるんだろう?
一概には言えないけど、もし僕がいま現役時代に戻ったら何をするかな?という観点でお伝えするね!
スポーツインストラクターやパーソナルトレーナー
アスリートであれば身体のことに詳しくなることにはメリットだと思います。
マイナースポーツであれば、情報の鮮度が悪く指導者が正しい知識を持っていない場合もあります。
自分自身で体のことを理解して、それを競技でも活かすことができれば、今よりもパフォーマンスを上げられると思います。
営業
僕は営業をやっていろいろな知識を得ました。
目標設定や課題設定ができ、1番競技に活かせるビジネススキルが付くのが営業だと思います。
また、営業は様々な人と出会えるので、社内や取引先でスポーツをやっていることを伝えれば応援していただけることもあります。
さらに営業先での出会いで、引退後にそこで働き始める、なんてこともあるかもしれません。
フリーランス
競技の「次」にやりたいことがあれば、その知識を磨いてフリーランスで働くというのもいいと思います。
また、競技の活動をブログやYouTubeなどネット上で配信することでファンを増やすことにも繋がるかもしれません。
スポーツではある種「自分が商材」なので、「自分で稼ぐ」ということと考え方は近いかもしれません。
どうしたらお客様はお金を払っていただけるのかなど、自分で稼ぐことを早くから経験しておくのは、お金の流れを把握できるので、その後どんな仕事に就いても役に立つことはあると思います。
まとめ(メリットとデメリットを学んで最適な仕事選びを)
どうせ競技以外でも仕事をするのであれば、現役中も引退後でも役に立つような仕事を選んだ方がよさそうだね!
そうだね!
そして仕事で学んだ知識は練習でも活かせないか「自分の頭で考えること」が大切だね!
前述もしましたが、プロスポーツ選手とは言え競技だけで稼げている人はごく一部の人たちだけです。
競技の他にもどうせ仕事をするなら、現役中も引退後にも役に立つような仕事選びをしたほうがいいと思います。
仕事で学んだ考えを競技だったらどう活かせるか、と競技と繋げる意識を持つ。それが「プロ意識」だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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